KPMGコンサルティングはBIG4の一角として、戦略立案からDX推進・リスクマネジメントまで幅広い領域をカバーする総合系コンサルティングファームです。
近年はデジタル関連の案件拡大に伴い中途採用を積極的に行っており、異業種からの転職者も増加傾向にあります。
一方で「選考の難易度はどの程度なのか」「年収は他のBIG4と比べてどうか」「ケース面接にはどう対策すればいいのか」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
本記事では、KPMGコンサルティングへの転職に必要な情報を、企業概要から選考対策・キャリアパスまで一気通貫で解説します。
実際の公開データや経済産業省の業界統計を踏まえながら、転職成功に向けた具体的なアクションプランもお伝えします。
KPMGコンサルティングとは?企業概要と業界内でのポジション
KPMGコンサルティングの会社概要と事業領域
KPMGコンサルティング株式会社は、2014年に設立された総合系コンサルティングファームです。KPMGインターナショナルのメンバーファームとして、世界143カ国以上に展開するグローバルネットワークの一翼を担っています。国内の従業員数は約1,500名超(2024年時点)まで成長しており、設立からわずか10年ほどで急速に規模を拡大してきました。
事業領域は大きく3つに分かれています。まず「マネジメントコンサルティング」では、経営戦略の策定や組織改革、M&A支援など、経営層の意思決定を支援するサービスを提供しています。次に「リスクコンサルティング」では、内部統制やコンプライアンス、サイバーセキュリティ対策など、企業が直面するリスクの特定と管理を支援しています。そして「テクノロジーコンサルティング」では、DX戦略の立案からシステム導入支援、データアナリティクスまで、テクノロジーを活用したビジネス変革をサポートしています。
KPMGジャパンとしてはあずさ監査法人やKPMG税理士法人などを含むグループ全体で約9,000名以上の体制を有しており、監査・税務・コンサルティングを横断した統合的なサービス提供が可能な点も大きな特徴です。
BIG4の中でのKPMGの立ち位置と強み
コンサルティング業界において「BIG4」と呼ばれるデロイト トーマツ コンサルティング、PwCコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティング、そしてKPMGコンサルティングの4社は、それぞれ異なる強みを持っています。以下の比較表をご覧ください。
| 項目 | デロイト トーマツ | PwCコンサルティング | EYストラテジー | KPMGコンサルティング |
|---|---|---|---|---|
| 国内コンサル部門の従業員規模 | 約5,000名超 | 約4,000名超 | 約3,500名超 | 約1,500名超 |
| 主な強み | 総合力・案件規模 | 戦略×実行の統合 | トランザクション領域 | リスク・ガバナンス領域 |
| グローバル展開 | 150カ国以上 | 152カ国以上 | 150カ国以上 | 143カ国以上 |
| 組織の特徴 | 大規模・体系的 | 横断チーム連携 | セクター特化 | 中規模・裁量が大きい |
KPMGコンサルティングの差別化要因は主に3つあります。まず「リスク・ガバナンス領域の強さ」です。金融規制対応やサイバーセキュリティ分野で豊富な実績を持ち、特に金融機関向けのリスクマネジメント案件では業界内でも高い評価を受けています。次に「中規模ゆえの裁量の大きさ」が挙げられます。他のBIG4と比較して組織規模がコンパクトなため、若手のうちからクライアントの経営層と直接やり取りする機会が多く、成長速度が速いと評されています。そして「グローバル案件比率の高さ」も特徴的で、KPMGインターナショナルのネットワークを活用した海外拠点との連携プロジェクトに携わるチャンスが豊富にあります。
近年の成長戦略と中途採用の背景
日本のコンサルティング市場は着実に拡大を続けています。IDC Japanの調査によると、国内ビジネスコンサルティング市場は2023年に約6,000億円規模に達しており、今後も年率5〜7%程度の成長が見込まれています。この成長を支える大きなドライバーが、企業のDX推進です。経済産業省が2018年に公表した「DXレポート」では、2025年までにDXを推進しなければ年間最大12兆円の経済損失が生じる「2025年の崖」問題が指摘され、多くの企業がDX投資を加速させる契機となりました。
※参照:経済産業省「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」
KPMGコンサルティングもこうした市場環境を背景に、テクノロジーコンサルティング領域の人員を中心に積極的な中途採用を行っています。特にクラウド移行、AIを活用したビジネス変革、ESG・サステナビリティ関連のコンサルティングニーズが急増しており、これらの領域で専門性を持つ人材の採用を強化しています。異業種出身者の採用にも積極的であり、事業会社やSIerでの経験を持つプロフェッショナルを歓迎する姿勢が見られます。
KPMGコンサルティングの中途採用の転職難易度と求められる人材像
転職難易度はどの程度か?選考倍率の目安
KPMGコンサルティングの中途採用の難易度は、BIG4の中でも「やや高い〜高い」レベルに位置づけられます。一般的にBIG4の中途採用における書類通過率は20〜30%程度、最終的な内定率は応募者全体の5〜10%前後とされています。KPMGは他の3社と比較して採用人数がやや少ないため、ポジションあたりの競争率が高くなる傾向があります。
ただし、コンサルティング業界全体で見ると、戦略系ファーム(マッキンゼーやBCGなど)の内定率が3〜5%と言われるのに対し、総合系であるKPMGは若干門戸が広いと言えます。特にリスクコンサルティング領域やテクノロジー領域では、特定の業界経験や技術スキルを持つ候補者の採用意欲が高く、経験者であれば比較的有利に選考を進められるケースもあります。重要なのは、自身の経験やスキルがKPMGの求めるポジションとマッチしているかどうかであり、単純な偏差値的な難易度だけでは測れない面があることを理解しておくとよいでしょう。
未経験からの転職は可能か?歓迎される職種・業界経験
コンサルティング未経験からKPMGコンサルティングへ転職することは十分に可能です。実際、中途入社者の中には異業種からの転職者が数多く含まれています。特に歓迎される前職の業界・職種としては、SIerやITベンダーでのシステム開発・導入経験者、事業会社の経営企画・事業企画部門出身者、金融機関(銀行・証券・保険)でのリスク管理や企画業務経験者、そして製造業での生産管理・SCM関連業務の経験者が挙げられます。
年齢帯別に見ると、20代後半〜30代前半がボリュームゾーンとなっています。この年齢帯は「一定の実務経験がありながらも、コンサルタントとしてのキャリアを新たに構築できる柔軟性がある」と評価されやすい傾向があります。30代後半以降の転職の場合は、特定領域における深い専門性やマネジメント経験が求められるケースが多く、マネージャー以上のポジションでの採用が中心となります。20代前半であれば、ポテンシャル採用として第二新卒枠での応募も選択肢に入るでしょう。
求められるスキルセットとマインド
KPMGコンサルティングでは、ポジションや職位によって求められるスキルに違いがあります。以下の表に主要なスキル要件をポジション別に整理しました。
| スキル・要件 | ビジネスアナリスト/コンサルタント | シニアコンサルタント | マネージャー以上 |
|---|---|---|---|
| 論理的思考力・課題解決力 | 基礎レベル | 実務で活用できるレベル | 高度なレベル(フレームワーク構築力) |
| 英語力(TOEIC目安) | 730点以上が望ましい | 800点以上が望ましい | 860点以上またはビジネス英語実務経験 |
| プロジェクトマネジメント | 参加経験があれば可 | サブリーダー経験 | PMとしての実績(複数PJ管理) |
| 業界専門知識 | 不問(ポテンシャル重視) | 特定業界の実務経験3年以上 | 特定業界の深い知見と人脈 |
| コミュニケーション力 | チーム内連携が円滑にできる | クライアント折衝経験 | 経営層への提案・ファシリテーション |
スキルに加えて、KPMGコンサルティングが重視するマインドセットも理解しておくことが大切です。同社は「Integrity(誠実さ)」を企業理念の中核に据えており、クライアントに対して正直かつ公正であることを強く求めています。また、多様なバックグラウンドを持つチームメンバーと協働するためのチームワーク志向、そして変化の激しい環境で自ら学び続ける成長意欲も重要な評価ポイントとなっています。面接の場では、これらのマインドを過去の経験に基づいて具体的に示せるよう準備しておくとよいでしょう。
KPMGコンサルティングの年収水準と評価制度
職位別の年収レンジ
KPMGコンサルティングの年収は職位に応じて明確に設定されており、昇進とともに大幅な年収アップが見込めます。以下に職位別の年収レンジと在籍年数の目安をまとめました。
| 職位 | 年収レンジ(目安) | 在籍年数の目安 |
|---|---|---|
| ビジネスアナリスト(BA) | 550万〜700万円 | 1〜3年 |
| コンサルタント(C) | 650万〜900万円 | 2〜4年 |
| シニアコンサルタント(SC) | 800万〜1,100万円 | 2〜4年 |
| マネージャー(M) | 1,100万〜1,400万円 | 3〜5年 |
| シニアマネージャー(SM) | 1,400万〜1,800万円 | 3〜5年 |
| アソシエイトパートナー(AP) | 1,800万〜2,500万円 | 個人差が大きい |
| パートナー(P) | 2,500万円以上 | 個人差が大きい |
国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の給与所得者の平均年収は約458万円です。KPMGコンサルティングでは入社直後のビジネスアナリストであっても平均年収を上回る水準であり、マネージャー以上になると1,000万円を大きく超える報酬が期待できます。
BIG4他社との年収比較
BIG4各社の年収水準は概ね近いレンジにありますが、職位や領域によって若干の差異があります。以下の比較表を参考にしてください。
| 職位 | デロイト トーマツ | PwCコンサルティング | EYストラテジー | KPMGコンサルティング |
|---|---|---|---|---|
| アナリスト/BA | 550万〜750万円 | 550万〜700万円 | 550万〜700万円 | 550万〜700万円 |
| コンサルタント | 700万〜1,000万円 | 650万〜950万円 | 650万〜900万円 | 650万〜900万円 |
| シニアコンサルタント | 900万〜1,200万円 | 850万〜1,150万円 | 800万〜1,100万円 | 800万〜1,100万円 |
| マネージャー | 1,200万〜1,600万円 | 1,200万〜1,500万円 | 1,100万〜1,400万円 | 1,100万〜1,400万円 |
| シニアマネージャー | 1,500万〜2,000万円 | 1,500万〜1,900万円 | 1,400万〜1,800万円 | 1,400万〜1,800万円 |
BIG4の中ではデロイト トーマツ コンサルティングが若干高い傾向にあり、PwCコンサルティングがそれに続きます。KPMGコンサルティングとEYストラテジーは概ね同水準となっていますが、KPMGは組織規模が比較的コンパクトであるため、成果を上げた際の昇進スピードが速く、早期に高い報酬帯に到達できる可能性がある点は見逃せません。また、グローバル案件へのアサイン時には海外勤務手当やプロジェクト手当が加算されるケースもあり、実質的な報酬はさらに高くなることがあります。
評価制度・昇進スピードと残業実態
KPMGコンサルティングの評価制度は年次評価が基本であり、プロジェクトごとの評価と年間を通じた総合評価の2段階で構成されています。各プロジェクト終了時にプロジェクトリーダーからの評価を受け、年度末にカウンセラー(メンター的な役割を担うシニアメンバー)との面談を通じて総合的な評価が決定されます。
コンサルティング業界でしばしば語られる「Up or Out(昇進するか退出するか)」の文化については、KPMGは比較的穏やかだと言われています。評価が低い場合にすぐに退職を迫られるわけではなく、改善の機会が与えられるケースが多いようです。ただし、同一職位に長期間留まり続けることは事実上難しく、一定の成長が求められる環境であることは認識しておく必要があります。
残業時間については、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると日本の一般労働者の月平均所定外労働時間は約13.8時間ですが、コンサルティング業界では月40〜60時間程度が目安とされています。KPMGコンサルティングも同水準ですが、近年は働き方改革に積極的に取り組んでおり、リモートワークの導入やプロジェクト間の休暇取得推進などを進めています。プロジェクトの繁忙期には残業が増える一方で、プロジェクトの合間にまとまった休暇を取得できるなど、メリハリのある働き方が可能です。
※参照:厚生労働省「毎月勤労統計調査」
KPMGコンサルティングの中途採用の選考フローと各ステップの対策
選考フローの全体像
KPMGコンサルティングの中途採用選考は、一般的に以下のステップで進行します。応募から内定獲得までの所要期間は、スムーズに進んだ場合で約4〜8週間が目安です。
ポジションや応募時期によっては面接回数が増減する場合もあります。また、転職エージェントを経由して応募する場合は、エージェントとの初回面談やレジュメ添削の期間も加味して、全体で2〜3カ月のスケジュール感で準備を進めるのがおすすめです。
書類選考・Webテストの攻略ポイント
書類選考では、職務経歴書の完成度が合否を大きく左右します。KPMGコンサルティングが職務経歴書で特に重視するのは、「これまでの経験がコンサルタントとしてどう活かせるか」が明確に伝わるかどうかです。単に業務内容を羅列するのではなく、担当したプロジェクトの課題・アプローチ・成果を定量的に記述することが重要です。たとえば「業務効率化プロジェクトに参画」ではなく「生産管理プロセスの再設計により、リードタイムを20%短縮」のように、具体的な数値を交えて表現するとインパクトが増します。
Webテストについては、SPIやGABに類似した適性検査が実施されるケースが多いです。言語理解・数的処理・論理的思考の3分野が中心であり、市販のSPI対策問題集で基礎固めをしたうえで、制限時間内に正確に解答する練習を重ねることが効果的です。性格検査も含まれるため、一貫性のある回答を心がけることも大切です。
1次面接・ケース面接の具体的な対策
1次面接では、「行動面接(ビヘイビア面接)」と「ケース面接」の両方が実施されるのが一般的です。行動面接では、「これまでに困難な課題をどのように解決したか」「チーム内で意見が対立した際にどう対処したか」といった過去の具体的な行動を問われます。STAR(Situation・Task・Action・Result)のフレームワークを使って回答を構造化しておくと、論理的かつ説得力のある受け答えができるようになります。
ケース面接では、フェルミ推定型と戦略ケース型の2種類が頻出です。フェルミ推定の例としては「日本にあるコンビニエンスストアの総売上高を推定してください」「東京都内のタクシーの台数を推定してください」といった問題が出題される傾向があります。戦略ケースでは「ある製造業のクライアントの利益を3年で2倍にするための戦略を提案してください」のようなテーマが出されます。
ケース面接対策の進め方は以下のステップを参考にしてみてください。

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